【沖縄】アスベスト除去工事の必要性・流れ・期間を解説|琉栄開発株式会社

アスベストが引き起こす健康被害のリスク

アスベストの繊維を吸入すると、肺がんや悪性中皮腫などの重篤な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。特に建物が老朽化したり、解体や改修工事の際にアスベストが飛散したりすると、居住者や近隣住民、作業員に健康リスクが生じます。このリスクを根本的に解消するために、アスベスト除去は欠かせない作業です。

法的な規制強化による除去の必要性

アスベストの飛散防止と適正な処理を徹底するため、国による法的な規制が強化されています。

事前調査の義務化

2022年4月の法改正により、建物の解体や改修工事を行う前には、規模の大小にかかわらず、アスベストの事前調査が義務化されました。2023年10月からは、有資格者による調査が義務付けられています。

作業計画の届出

アスベストが検出された場合は、作業開始前に行政に対し作業計画を届け出ることが義務付けられています。

厳格な飛散防止対策

除去作業中は、作業空間の隔離や負圧除じん装置の使用など、アスベストの飛散を防ぐための厳格な対策が法令で定められています。

STEP1：事前調査と分析

まず、有資格者による綿密な現地調査を行い、建材を採取して分析機関でアスベストの有無や種類、飛散性のレベル（レベル1～3）を判定します。この結果にもとづき、必要な除去工事の計画を立てます。

STEP2：行政への届出

調査でアスベストが確認された場合、法令にもとづき、作業開始前に自治体や労働基準監督署へ作業計画などの必要事項を届け出ます。この届出期間を考慮し、工事全体のスケジュールが組まれます。

STEP3：作業空間の隔離と養生

除去工事を行う場所を、他の空間と完全に隔離するための養生を行います。特に飛散性の高いアスベスト（レベル1や2）の場合、作業空間を負圧に保つための専門的な装置（負圧除じん装置）を設置し、外部への飛散を厳重に防止します。

STEP4：アスベストの除去作業

隔離された空間内で、防護服を着用した作業員がアスベスト含有建材の除去を行います。除去対象に応じて、薬剤で湿潤化させたり、手工具や専用機器を使用したりして慎重に作業を進めます。

STEP5：完了後の検査

アスベストの除去が完了した後、作業空間の空気を採取し、アスベストの残存がないか、飛散していないかを専門機関が検査します。この検査に合格して初めて、養生の撤去に進みます。

STEP6：特別管理産業廃棄物としての処理

除去されたアスベスト含有建材は、法令にもとづき「特別管理産業廃棄物」として厳重に梱包されます。許可を持つ専門の運搬業者が回収し、定められた処分場にて最終処分されます。

アスベストの種類（飛散性レベル）が期間に与える影響

アスベスト除去工事の期間に最も大きく影響するのは、アスベストの飛散性のレベルです。飛散性が高いほど、厳重な養生や対策が求められ、作業期間が長くなります。

レベル1（飛散性が高い：吹付けアスベストなど）

作業空間の厳重な隔離、負圧管理、複数回の空気環境測定が必要なため、準備や後処理を含め、比較的長い期間を要します。

レベル3（飛散性が低い：ビニル床タイルなど）

比較的飛散リスクが低いため、養生や作業の厳重さはレベル1ほどではありませんが、丁寧な手作業除去が必要であり、ある程度の期間を見込む必要があります。

除去工事期間に影響を与える要素

実際に建材を除去する作業以外にも、工事全体の期間に影響を与える要素があります。

事前調査・分析期間

サンプリングからアスベストの有無が判明するまでの期間が必要です。

行政への届出期間

法令にもとづき、作業開始の一定期間前に行政へ届出を行う期間が義務付けられています。この手続きにかかる期間を無視して工事を始めることはできません。

養生・隔離と空気環境測定期間

作業前後の養生設置・撤去、そして除去完了後の空気環境測定で安全が確認されるまでの期間も、トータル期間に含まれます。

物件オーナー様や施設管理者様は、これらの要素を考慮し、余裕を持ったスケジュールでアスベスト除去工事を計画することが重要です。

アスベストの除去はなぜ必要なんですか？

アスベスト吸入による健康被害（肺がん、中皮腫など）のリスクを根本的に解消するためです。また、解体・改修工事前の事前調査義務など、法令を遵守するためにも除去工事は欠かせません。

アスベスト除去工事の一般的な流れを教えてください。

一般的な流れは以下のとおりです。

• 事前調査・分析
↓
• 行政への届出
↓
• 作業空間の隔離と養生
↓
• アスベストの除去作業
↓
• 完了後の検査
↓
• 特別管理産業廃棄物としての処理

アスベスト除去工事にかかる期間はどのくらいですか？

工事期間は、建物の規模やアスベストの飛散性レベル（種類）などによって変動します。特に飛散性の高いアスベストの場合、厳重な養生や空気環境測定の期間を見込む必要があるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。